現代人は、常に多忙な日常の中で「何もしない」という行動が苦手な傾向にあります。テクノロジーの進化とともに、スマートフォンやSNS、仕事のタスクに追われ、リラックスや思考の時間を取ることが減っています。しかし、実は「何もしない」時間を意識的に作ることは、メンタルヘルスにとって非常に効果的であることが科学的にも支持されています。
何もしないことのメンタルヘルスへの効果
ストレスの軽減や心理的な安定
「何もしない」ことは、現代人にとって多くの心理的恩恵をもたらします。特に、何もせずにぼーっとする時間や、瞑想的な時間を取ることは、ストレスの軽減や精神的なリセットに役立ちます。これには、いわゆる「マインドフルネス」と同じ効果があり、過去の後悔や未来の不安を一時的に手放し、「今この瞬間」に意識を集中させることで、心の静けさを取り戻すことができます。
その効果は海外でも注目されている
例えば、欧米で注目されている「ニクセン(niksen)」というオランダの概念では、「何もしない」ことが創造性の向上や心のリフレッシュに効果があるとされています。
何もしないことの効果:メンタルヘルス以外にも
疲労感の低減と活力の増強
現代社会では、常に生産性を求められ、何かを「しなければならない」という強迫観念が根強くあります。仕事や家事、育児などで埋め尽くされたスケジュールの中で、「何もしない」時間を取ることに罪悪感を抱く人も多いでしょう。しかし、逆説的に、この「何もしない」時間を持つことで、心の疲れを癒し、さらに次の行動に向けた活力を養うことができます。
気持ちを一旦置いておくことも良い
例えば、心理学の分野では「情動焦点型コーピング」という概念があり、問題そのものを解決するのではなく、気持ちを一旦置いて他の行動でリフレッシュすることがストレスに対して有効だとされています。これは、「何もしない」時間を取ることで心身のバランスが整い、次に問題に向き合う力が回復するというメカニズムに基づいています。
「何もしない」ができないでいると
疲労やストレスに繋がる
「何もしない」ことが苦手な現代人は、休息を取らずに多くのことに手を出し、結果として慢性的な疲労感やストレスを抱えることがあります。この習慣は、メンタルヘルスの悪化に繋がり、最終的には仕事や日常生活のパフォーマンスにも影響を及ぼします。
スマホやSNSの影響
特に、スマートフォンやSNSに時間を費やしすぎることで、「何もしない」時間がどんどん削られています。しかし、意識的にこのデジタルノイズから離れ、静かな時間を持つことで、心のリセットができ、精神的な疲れが癒されます。
何もしないことに向いている人
「何もしない」時間を取り入れることは、特にストレスの多い環境にいる人にとって有効です。仕事や家庭で常にプレッシャーを感じている人、忙しい毎日を送っている人ほど、意識的に「何もしない」時間を作ることで、心の余裕が生まれます。
何もしないことが難しいと思ったら
一方で、全く何もしないことに不安を感じる人もいます。特に、何かに没頭している方や、アクティブな生活を好む方は、最初は「何もしない」ことに違和感を感じるかもしれません。しかし、少しずつこの習慣を取り入れることで、次第にその恩恵を感じられるでしょう。
私には難しいかなと感じられる方には、セルフケアから少しずつ始めてみてください。
私の体験から
私がうつを発症した最初の数か月間は、何もしないこと例えばスマホを見ない、考え事をしない、が全くできませんでした。1日中何かに取りつかれた様にスマホを見たり、考え事をしていました。そんな状態から何も考えずに頭をぼーっとすることができるようになったきっかけはヨガでした。ヨガを始めてから運動の習慣がつき、運動しているときは何も考えられずにいました。するとそのうち何もしないができるようになってきました。現代人にとって何もしないというのは非常に無駄に感じるかもしれませんが、心や脳の健康にとっては非常に大切な時間の過ごし方です。ここ最近のサウナやヨガのブームもこのあたりに起因しているんじゃないかと思います。
参考note:https://note.com/familycareer/n/n9e014d8934f6?sub_rt=share_pw
まとめ:何もしないことの大切さ
現代社会において、「何もしない」という行動は、メンタルヘルスを保つために非常に有効です。ストレスの多い環境では、積極的に「何もしない」時間を取り入れることで、心身のバランスを整え、生活全体の質を向上させることができます。特に、メンタルヘルスの回復やストレスの軽減を目指す方には、日々の生活に「何もしない」時間を取り入れることが大切です。